見積もりをもらったハウスメーカーを断るのは失礼ではなく、決めたらできるだけ早く、「お礼・結論(今回は見送る)・短い理由」の3つをメールかLINEで伝えれば十分です。会って断る必要も、お詫びの品もいりません。ただし、申込金を払った後や工事請負契約を結んだ後は「断る」ではなく「解約」になるので、書面の条件を確かめましょう。(2026年時点)
何社かのハウスメーカーから見積もりをもらい、依頼する会社が決まったものの、「ほかの会社にどう断ればいいのか」と気が重くなっている方もいるのではないでしょうか。この記事では、断るときの考え方と、そのまま使えるメール・LINE・電話の例文に加えて、申込金や契約の後に断るときの注意点、断る前に確かめておきたいことまで解説します。
この記事を監修した人

梅村 征敏
サービス・イノベーション株式会社/CEO
住宅業界13年。国内有数のコンサルティング
ファームでの経験とMBAの知見を活かし、
100社以上のマーケティング改善を支援。
著書に『家づくりは76%が後悔する ユーザーの声からたどり着いた成功する唯一の答え』がある。
住宅AIコンシェルジュのコラムを企画・監修。

見積もり後に断るのは、失礼?
見積もりをもらった後に断るのは、失礼ではありません。住宅会社も、複数の会社と比べられることを前提に見積もりを出しているためです。

断ると決めたら、できるだけ早く伝える
依頼する会社が決まったら、ほかの会社にはできるだけ早く断りの連絡をしましょう。返事を先延ばしにすると、担当者は次の提案や打ち合わせの準備を続け、連絡も届き続けます。
早く伝えるほうが、相手の時間を使わせずにすみ、自分たちも気持ちよく次に進めます。
会って断る必要も、お詫びの品もいらない
断るために、わざわざ展示場や事務所に出向く必要はありません。メールやLINE、電話で伝えれば十分です。
「何度も打ち合わせをしてもらったのに申し訳ない」と、菓子折りなどを用意したほうがいいか迷う方もいますが、お詫びの品も必要ありません。気持ちは、断りの連絡の中でお礼の言葉として伝えましょう。
あいまいな返事は、連絡が続く原因になる
「もう少し考えます」「また連絡します」といった返事は、担当者に「まだ可能性がある」と受け取られやすく、その後も連絡が続く原因になります。
断るときは、「今回は見送らせていただきます」と結論をはっきり伝えましょう。丁寧な言葉で結論を伝えれば、失礼にはなりません。
どう伝える?メール・LINE・電話の例文
断るときは、お礼・結論・短い理由の3つを、記録が残るメールかLINEで伝えるのがおすすめです。結論を文章で残せば、その場で引き止められず、言った・言わないにもならないためです。
メールの例文(件名つき)
メールで断るときは、件名だけで用件が分かるようにしましょう。この例文の〇〇を書き換えれば、そのまま使えます。
件名:お見積もりのお礼と、お断りのご連絡(〇〇)
〇〇ホーム株式会社
〇〇様
いつもお世話になっております。〇〇です。
先日は、お見積もりとプランをご提案いただき、ありがとうございました。
家族で検討した結果、今回は別の会社にお願いすることにいたしました。
予算や進め方を考えたうえでの判断です。
〇〇様には、打ち合わせのたびに丁寧にご説明いただき、感謝しております。
勝手ながら、今後のご連絡は不要とさせていただけますと幸いです。
これまで本当にありがとうございました。
〇〇〇〇(氏名)
電話番号:〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
LINEの例文
LINEでやりとりしていた場合は、LINEで断っても問題ありません。メールより短く、お礼と結論がすぐ分かる形にしましょう。
〇〇様
先日はお見積もりをいただき、ありがとうございました。
家族で話し合った結果、今回は別の会社にお願いすることにしました。
丁寧にご提案いただいたのに、申し訳ありません。
これまで本当にありがとうございました。
電話の例文と、引き止められたときの返し方
電話で断るときも、お礼と結論を最初に伝えます。
お世話になっております。〇〇です。
先日はお見積もりをありがとうございました。
家族で検討した結果、今回は別の会社にお願いすることになりましたので、ご連絡しました。
丁寧にご提案いただき、本当にありがとうございました。
電話では、その場で引き止められることもあります。結論が変わらないなら、お礼を言いながら同じ結論をくり返しましょう。
| 言われたこと | 返し方の例 |
|---|---|
| 「値引きできます」 | 「ありがとうございます。金額だけでなく全体を考えて決めたので、今回は見送らせてください」 |
| 「間取りを引き直します」 | 「ご提案ありがとうございます。すでに家族で決めたことなので、お気持ちだけいただきます」 |
| 「どこに決めたのですか」 | 「申し訳ありませんが、控えさせてください」(伝えたくなければ、伝えなくても構いません) |
値引きの提示を受けて迷ったときは、その場で答えを出さなくても構いません。
▶ あわせて読みたい:注文住宅の値引き|ハウスメーカーの相場・からくりと交渉
理由はどう書く?(他社に決めた・予算が合わない・計画を見送る)
理由は、本当の理由を短く伝えれば十分です。「間取りのここが…」「設備が…」と細かく伝えると、「そこを直せば検討してもらえる」と受け取られ、再提案のきっかけになりやすくなります。
| 理由 | 伝え方の例 |
|---|---|
| 他社に決めた | 「家族で検討した結果、今回は別の会社にお願いすることにしました」 |
| 予算が合わない | 「予算との兼ね合いを考え、今回は見送ることにしました」 |
| 計画を見送る | 「家族の事情で、家づくりの計画そのものをいったん見送ることにしました」 |
予算が合わないことが理由のときは、断る前に、見積もりの範囲や削れるところがないかを確かめておくと安心です。
▶ あわせて読みたい:注文住宅の見積もりが予算オーバー|削るところと順番
申込金を払った後や、契約した後に断ると?
申込金や設計の費用を払った後、工事請負契約を結んだ後は、「断る」ではなく「解約」の扱いになり、お金が戻るかは書面の条件で決まります。見積もりの段階と違い、お金や契約の約束がすでに発生しているためです。
段階ごとに、断ると何が起こる?
断るときに気をつけることは、今どの段階にいるかで変わります。
| 段階 | 断るとどうなるか | 確かめる書類 |
|---|---|---|
| 見積もり・プランの提案まで | 断って問題ない。費用の約束をしていなければ、払うものはない | 有料のプランや調査を頼んだ場合は、その申込書 |
| 申込金を払った後・設計を申し込んだ後 | お金が戻るかは、申し込んだときの書面の条件で決まる | 申込書・預かり証・設計の契約書 |
| 工事請負契約の後 | 「解約」になり、損害の賠償が必要になる | 工事請負契約書・約款の解約の条項 |
申込金は、「契約しなかったら返す」とされていることも、「設計や調査の費用に充てる」とされていることもあり、会社や書面によって扱いが違います。払う前に、戻る条件を書面で確かめておきましょう。

契約後の解約は、損害の賠償が必要になる
工事請負契約を結んだ後でも、工事が終わる前であれば、施主は損害を賠償して契約を解除できると、民法で定められています(民法 第641条)。
いくら払うことになるかは、工事の進み具合や、契約書に書かれた違約金・工事をやめたときの損害の負担の定めによって変わります。「契約金額の○%」といった一律の目安はありません。契約後に断りたいと思ったら、まず契約書の解約の条項を確かめ、自分だけで判断しないようにしましょう。
クーリング・オフが使えるのは、限られた場合だけ
「契約から8日以内なら無条件で解約できる」と思われがちなクーリング・オフですが、使えるのは限られた場合だけです。
- 対象:自宅など、営業所以外の場所で契約した訪問販売など。路上で呼び止められて営業所に連れていかれた場合なども含まれる
- 期間:法律で決められた書面を受け取った日から8日以内(「契約した日から」ではない)
- 根拠:特定商取引法 第9条(消費者庁「特定商取引法ガイド|訪問販売」)
自分から住宅会社の事務所などに出向いて結んだ契約は、原則として対象になりません。自分の契約が当てはまるか分からないときは、消費者ホットライン(188)から、近くの消費生活センターに相談しましょう。
住宅ローンが通らなかったときは?
契約の後に住宅ローンの審査に通らなかったときは、契約書に「住宅ローン特約」(審査に通らなければ契約を解除できる定め)があるかを確かめましょう。
特約があるかどうかや、解除できる期限、対象になる金融機関などの中身は、契約ごとに違います。契約の前に、特約が入っているかを確かめておくと安心です。
断る前に、何を確かめる?
断る前に、選ぶ会社の見積もりが、他社と同じ範囲で比べても本当に有利かを確かめます。契約の後で抜けていた費用が見つかっても、断った会社とは比べ直せないためです。
選ぶ会社の見積もりに、抜けている費用はない?
総額が安い会社を選んだつもりでも、必要な費用が見積もりに入っていないだけかもしれません。断る前に、次の3つが入っているか確かめましょう。
- 付帯工事:地盤改良、給排水の引き込み、外構など
- 諸費用:登記や住宅ローンの手数料、火災保険など
- 「一式」の中身:金額の大きい「一式」に、何が含まれているか
他社と同じ範囲で、総額を比べた?
見積もりは、会社ごとに含まれる費用の範囲が違います。総額だけを比べると、範囲が狭い見積もりほど安く見えてしまいます。
断る前に、どの見積もりにも同じ費用が入っているかをそろえて、もう一度総額を比べてみましょう。一度断ってから「やっぱりあちらの会社のほうがよかった」と気づいても、同じ条件で話を戻すのは難しくなります。
▶ あわせて読みたい:注文住宅の相見積もり|ハウスメーカーの見積もり比較
断る会社の見積書やプランを、選んだ会社に渡さない
断る会社からもらった見積書や図面は、その会社が時間をかけて作ったものです。選んだ会社にそのまま渡したり、「このプランで建ててほしい」と頼んだりすると、断る会社にも失礼になり、もめる原因にもなります。
他社の金額を参考として伝えるだけなら問題ありません。

どの会社を断るか、自分で決められないときは?
どの会社を断るか自分で決められないときは、住宅会社とは別の第三者に見積もりを見比べてもらうのがおすすめです。見積書ごとに含まれる範囲が違い、どちらが本当に有利かは項目をそろえないと分からないためです。
自分で比べると大変な理由
見積書は、会社ごとに書き方も、含まれる費用の範囲も違います。金額の大きい「一式」の中身が分からず、どこをどうそろえればいいのか迷うこともあります。
さらに、一度断った会社とは、あとから同じ条件で比べ直すことが難しくなります。断る前の限られた時間で、すべての見積書を自分でそろえて比べるのは、家づくりが初めての施主にとって大きな負担です。
住宅AIコンシェルジュの見積もり診断でわかること
住宅AIコンシェルジュでは、住宅会社ごとに異なる注文住宅の見積書を、3つの角度から無料で比較・分析するサービスをご用意しています。
最大3社分の見積書を送ることで、各社の総額や含まれる費用の違いに加え、実際の価格相場や家計に無理のない予算かどうかを整理したレポートを受け取れます。
例えば、「断る前に、選ぶ会社の見積もりに抜けている費用がないか確かめたい」「2社の総額を、同じ範囲にそろえて比べたい」といった場面で活用できます。
後悔のない断り方をするうえで大切なのは、伝え方だけでなく、選ぶ会社の見積もりに何が含まれているかを理解してから決めることです。
よくある質問(FAQ)
断った後も営業の連絡が止まらないときは?
「今後のご連絡は不要です」と、メールやLINEなど記録に残る形でもう一度伝えましょう。それでも止まらないときは、住宅会社の本社のお客様窓口に相談するか、消費者ホットライン(188)から近くの消費生活センターに相談できます。
担当者に直接言いにくいときは?
電話や対面ではなく、メールやLINEで伝えて問題ありません。この記事の例文の〇〇を書き換えれば、そのまま送れます。担当者の連絡先が分からないときは、会社の問い合わせ窓口に、担当者の名前を添えて伝えましょう。
断った会社に、やっぱりお願いできる?
連絡すれば、もう一度相談に乗ってもらえることもあります。ただし、以前の見積もりや値引きの条件がそのまま使えるとはかぎりません。こうしたことを避けるためにも、断る前に見積もりを同じ範囲で比べておきましょう。
展示場で名前を書いただけでも、連絡がいる?
展示場でアンケートに名前を書いただけなら、こちらから断りの連絡をする必要はありません。営業の連絡が来たときに、「今回は検討していませんので、ご連絡は不要です」と伝えれば十分です。















