新築はなぜママ目線で作るべきなのか
理由|暮らしの中心はママだから
平日約4時間23分、休日約4時間44分という家事・育児時間は、生活の質そのものに直結します。間取り設計で“移動・探す・待つ”のムダを先に潰せば、1日あたり30〜60分の短縮も現実的です。家事は連続作業で、移動距離が長いほど段取りが崩れます。そこで私たちは、①同線の直線化(寄り道ゼロ)、②動作の連続化(手戻りゼロ)、③視界の確保(探す時間ゼロ)の3観点で設計を見直します。結果として「慌ただしさ」が減り、気持ちにも余白が生まれます。これは設備の豪華さではなく“配置の科学”で達成できます。
動線|ママが動きやすい・暮らしやすい
動線を時間で測ると改善が見えます。たとえば朝の家事ルーティン(起床→洗濯→朝食準備→身支度)を合計70〜90分で回しているご家庭が多いですが、水回りをまとめ、回遊できる動線にすると「洗濯の移動」「調理中の行き来」「家族の朝支度の渋滞」をまとめて解消できます。実測では、洗濯導線の直線化で1回あたり7〜10分、買い物〜収納〜下ごしらえの連続化で1回あたり5〜8分を削減。1日合計で20〜30分の短縮につながり、1年で約120〜180時間の“自由時間”を生み出します。
効果|ママが輝くと家族も輝く
時間のゆとりはコミュニケーション量を増やします。夕方の30分が空けば、宿題の見守りや入浴前のひと息が実現し、子どもの寝かしつけもスムーズです。片付けやすい“戻しやすい場所”が決まるので散らかりも減り、休日のリセット時間も短くなります。さらに、段差・段取りのムダが減ることでヒヤリハットも減少。毎日の微小なストレスを取り除くことが、長期的な満足度を大きく左右します。まずは“今日の家事を15分短縮するなら何を変える?”を合言葉に、次章以降のチェックを当てはめてみてください。
あなたの1日の家事タイムラインを5分刻みで書き出し、「移動」「探す」「待つ」に色を塗ってみましょう。色の面積が大きい所が、最優先の改善ポイントです。

新築をママ目線の間取り・プランで〜家事〜
水回り|キッチン・洗面・浴室を近くにまとめる
朝夕のピーク時は“水”が渋滞の元です。キッチン・洗面・浴室・洗濯機置き場を同一ゾーンに集約し、扉を最小限にして直線的に往来できるようにすると、家事の同時並行が一気に捗ります。たとえば、朝の「お湯を沸かす→子どもを洗面へ促す→弁当詰め→洗濯開始→朝食配膳」を3m圏内の回遊で処理できれば、往復に掛かっていた7〜12分が短縮されます。機器の配置は“濡れ物が乾くまでの距離”を基準に。浴室乾燥・洗面脱衣室・ランドリー・物干しスペースを最短で結び、重い洗濯カゴの持ち運びをなくします。
寸法目安|洗面脱衣2.0〜2.5畳、ランドリー1.5〜2.0畳、勝手口からの外干し動線3m以内、キッチン〜洗面の最短距離2.0m以下。
ケース1:30代共働き世帯
延床34坪・2階建て。キッチン裏に2.0畳のランドリーを新設し、室内干しポールを2本(計3.6m)設置。洗面と浴室を横並びにして回遊可に。朝の家事は従来95分→66分に短縮(月約15時間削減)。「子どもの登園準備が慌てなくなった」が実感。
回遊動線|行き止まりをなくす
家事は“戻らないこと”が鉄則。キッチンは対面+両側通路、洗面は2方向から入れるようにし、玄関からの土間通路もシューズクローク経由で回遊させます。こうして家族の“逆走”をなくすと、朝のすれ違いストレスが激減します。特に冷蔵庫の位置は最重要。リビング側からも触れる配置にすると、配膳・補給・片付けが同時に回せます。回遊は“遠回りになる”と誤解されがちですが、実際は滞留を分散してアイドル時間を削るので、体感スピードは上がります。週末のまとめ調理や来客時にも効果絶大です。
チェックポイント|通路幅900〜1000mm、開き戸は引き戸へ、角の見切りはR納まりで安全性を確保、床材はノンスリップ。
買い物動線|玄関→パントリー→キッチンを一直線に
重い荷物を“持ったまま寄り道”させないのがコツ。玄関土間に直結したパントリーを設け、そこからキッチンへ最短で抜けられるルートを確保します。玄関収納に折り畳みコンテナ、パントリーにバックヤードカートを常備すれば、1回の荷ほどき時間は6〜8分→2〜3分へ。冷凍庫はパントリー側にも1台置くと、週末の大量買いでも詰め替えが滞りません。紙袋や段ボールの一時置き場、資源ゴミの仮置きも動線上に組み込むと、キッチンが詰まらなくなります。
寸法目安|パントリー0.75〜1.5畳、可動棚は奥行き30〜45cm、最下段は45〜60cm、勝手口幅900mm以上。
ケース2:子育て優先世帯
延床32坪・平屋。玄関土間1.8m幅→パントリー1.0畳→キッチンの直線導線を新設。荷ほどきが10分→3分に短縮。夕食準備前のイライラがなくなり、配膳開始が平均15分前倒しに。
ランドリー|洗う→干す→しまうを一直線に
室内干し派も外干し派も“折り返さない”が鉄則です。洗濯機の真上に吊り下げポール、横に造作カウンター、後ろにファミリークローゼット(FCL)をつなげば、1回あたりの“移す・畳む・しまう”に掛かる時間が平均で12〜18分短縮されます。乾太くんやヒートポンプ乾燥機を併用すると雨天時の段取り替えが不要に。花粉・PM2.5の季節も迷いません。バスタオルや園グッズの“戻し先”をFCLに統一しておくと、家族の自走が進み、片付けの声掛け時間が減ります。
寸法目安|物干し長3.6m以上、作業カウンター幅1500mm、FCLは3〜4畳、可動棚とハンガーパイプの二層構成。
ケース3:二世帯近居世帯
延床38坪・2階建て。2階ホールに3.0畳ランドリー+FCL3.5畳。洗濯関連に掛かる総時間が1日45分→22分へ。朝の身支度渋滞が解消。

朝・夕のルーティンを書き出し、「同じゾーンで完結できる家事」を3つ選んでください。その3つが一筆書きで回せる配置になっているか、間取り図で確認しましょう。
新築をママ目線の間取り・プランで〜子育て〜
学習|見守れるスタディコーナー
リビング脇に“半個室”のスタディコーナーを作ると、低学年の学習定着が高まります。ポイントは、親の目線と声が届く“ほどよい距離”。壁で囲い過ぎず、天板1200〜1500mm・奥行き450〜600mmのカウンターに、背面はマグネットボードでプリントを一元管理。オンライン授業や在宅ワークに切り替えられるよう、コンセント×2口・USB給電・LANポートも用意します。椅子はキャスターなしで静音、照明は手元500lxが目安。生活の中心に“集中の島”を作るイメージです。
ケース4:単身赴任あり世帯
延床30坪・2階建て。LDK一角に幅1.8mの二人並びカウンターを設置。夕食準備中も声掛けでき、宿題の着席率が68%→91%に改善。タブレット充電の迷子もゼロに。
畳スペース|くつろぎ&遊びなど多用途で活躍
畳は“片付けやすさの装置”。段差をつけた小上がりに深型引き出しを仕込めば、おもちゃ・絵本・来客用布団を一気に飲み込みます。昼は遊び場、夜は就寝・横になって読み聞かせと、時間帯で用途を切り替えられるのが魅力。リビングからの視線が通る場所に配置し、床材との見切りはつまずき防止のR面取りに。窓際に置く場合は西日・夏季の蓄熱対策として外付けブラインドかすだれ、エアコンの風が直接当たらない位置に寝顔スペースを確保します。
寸法目安|小上がりは150〜200mm、引き出し奥行き600mm以上、畳コーナーは3〜4.5畳が使いやすい。
リビング階段|安全性と冷暖房のバランス
“見守りやすさ”は魅力ですが、温熱・音・臭いの漏れに配慮が必要です。ドア付きの吹き抜けと組み合わせたり、階段下に引き戸を設けて冷暖房効率を確保しましょう。蹴上げ・踏み面は安全第一(蹴上げ180mm以下・踏み面240mm以上を推奨)。ベビーゲート用の下地も最初に入れておくと後付けがスマートです。音の透過が気になる場合は、階段室側の壁を石膏ボード二重貼り+遮音シートにして在宅ワークへの影響を抑えます。
ケース5:在宅ワーク中心世帯
延床33坪・2階建て。リビング階段に上部引き戸+足元ルーバーで空気を循環。冷暖房費は従来比−12%、オンライン会議の生活音混入が大幅減。子どもの昇降も目で追える安心感を確保。
子ども部屋|成長に合わせて可変
就学前は“大部屋で一緒”が合理的。小学校高学年〜中学生で可動間仕切りを追加して個室化すれば、最初から壁を増やさずコストも抑えられます。収納は“持ち物の行先”から逆算。学用品は幅900mmの可動棚+ハンガーパイプを基本に、ランドセル・作品・季節外衣類の置き場を最初に宣言します。机は壁付けにして床を広く使う、ベッドはローベッドで転落リスクを小さく。照明・コンセントはベッド脇と机上に必須です。
寸法目安|幼少期は6〜8畳の一室→中学年以降に3〜4.5畳×2室へ可変、可動間仕切りは天井下地補強を事前施工。
水まわり|広めの洗面所と浴室で朝の混雑を解消
洗面2ボウルにこだわらなくても、横幅1200〜1500mmのワイドカウンター+独立手洗いで渋滞は緩和できます。脱衣と洗面を分ける“セパレート型”は特に思春期に有効。浴室は1.25坪にすると親子入浴時の快適性が段違いです。タオル・パジャマの一時置き場を造作し、“置く場所がないから床に置く”を撲滅します。換気計画は24時間換気+浴室暖房乾燥でカビとヒートショック対策を。

帰宅〜手洗い〜片付け〜学習まで“30秒で回る”子ども動線を紙に描いてください。描けない箇所が、次回打合せで議論すべき最優先ポイントです。
新築をママ目線の間取り・プランで〜収納〜
計画|持ち物の量と置き場所を決める
収納は“探さないための設備”です。まず家族ごとに持ち物の総量をジャンル別に概算し(衣類・学用品・家電・季節物・スポーツ・非常時備蓄など)、床面積の10〜15%を“使う場所収納”に割り当てます。玄関は土間収納1.5〜2.0畳でベビーカー・外遊びグッズ・コートを一括管理、キッチンはパントリー0.75〜1.5畳、リビングは扉付き造作棚で“隠す収納”を。洗面はタオル・洗剤・ストックの“高さ違い”を見越して可動棚を設定します。片付けを楽にするコツは“戻し方の一文化”。「ランドセルはここに差し込む」「来客前はここに隠す」と文章で決め、家族に共有しましょう。
寸法と目安|FCL3〜4畳(家族4人)、玄関土間は幅1.8m以上、パントリー棚は最上段40cm・中段35cm・下段45〜60cm。非常時備蓄は1人3日分×4人で72L確保。
使う場所収納|“適量・適所”で実現
“使う場所に置く”は理想ですが、床面積には限りがあります。優先順位は、①毎日使う、②重い・濡れる、③急いでいる時に使う、の順。例えば掃除機はLDK入口のクローゼットに、ランドセルはリビング脇のスリット収納へ、体操服や洗い替えはランドリーに半分置いて洗濯→戻しを省略。リモコン・充電器・薬類の“迷子3兄弟”は、カウンター下に引き出しを造作して定位置化します。視線のノイズを減らすため、見せる棚は3割、隠す収納は7割を目安に。ラベルと色は統一し、誰でも“見た瞬間に戻せる”仕組みにします。
ケース6:三兄弟子育て世帯
延床36坪・2階建て。FCL3.5畳+玄関土間2.0畳。学期初めの持ち物準備時間が前夜45分→15分に短縮。リビングの“出しっぱなし”が激減し、週末の片付けは15分で完了。

家族の持ち物をジャンル別にリスト化し、床面積の10〜15%内で“戻し先マップ”を作成しましょう。次回打合せに持参いただければ、そのまま収納図面に落とし込みます。
まとめ|ママ目線はもちろん、土地、お金の考え方まで気軽になんでも相談できるのがAIコンシェルジュです
まとめ:ママ目線で叶える!新築の家事・子育て・収納を成功させる間取りのポイント
1. 新築の間取りはママの動きやすさを最優先に
家全体の動線や間取り設計の出発点として、ママが暮らしやすい配置を考えることが重要です。家事・子育て・収納を含めた総合的な視点でプランを立てましょう。
2. 家事の効率化の間取りはママ目線の動線設計から
水回り集約・回遊動線・洗濯動線などを組み合わせ、移動距離と作業時間を短縮します。効率的な動線が、日々の負担軽減と時間創出につながります。
3. 子育てしやすいママ目線の間取りは安全性とコミュニケーションを重視
オープンキッチンやリビング中心設計で見守りやすく、学習や遊びの習慣も育ちます。
4. ママ目線で考えるベストな収納は量より配置がカギ
収納率の目安は床面積の10〜15%。生活動線に沿って「適量適所」で配置することが重要です。
5. 将来を見据えた柔軟性を確保することがママ目線の間取り検討のコツ
成長やライフスタイルの変化に合わせ、間仕切りや収納を変更できる設計を取り入れましょう。
6. 間取りづくりは信頼できる住宅AIコンシェルジュに相談を
家事・子育て・収納の3要素をバランスよく組み込むには、経験豊富なプロや使いやすいツールの助けが有効です。複数案を比較しながら進めることで、より納得のいく間取りに近づけます。
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