庇(ひさし)の基本知識|なぜ家に必要なのかがわかる
庇(ひさし)とは何か?
庇(ひさし)とは、建物の外壁から外側へ突き出している小さな屋根のような部分を指します。玄関ドアや窓の上についている「のき」のような形状で、雨や日差しを遮るための設備です。ひさしの一番の役割は、雨水の侵入を防ぎ、外壁やサッシの劣化を防ぐこと。庇があるだけで、雨の日の過ごしやすさや建物の耐久性が大きく変わります。ひさしには片流れ庇・両流れ庇・アーチ型庇などいくつか形状のタイプがあり、素材によっても外観の印象は大きく異なります。アルミはシャープ、木製はナチュラル、ガラスはモダンなど、外観デザインへの影響も大きいため、家全体の雰囲気に合わせて選ぶと統一感が生まれます。
庇と屋根・軒の違い
似た言葉に「屋根」や「軒」がありますが、それぞれ役割が異なります。屋根は建物全体を覆う大きな構造で、雨や雪から建物全体を守るもの。軒は屋根の端の部分で、屋根が外壁より外に張り出すことで外壁を守っています。一方、庇は玄関や窓など部分的に設けられる小さな屋根。リフォームや後付けでニーズが高いのはこの庇であり、玄関周り、勝手口、窓の雨よけ・日よけに手軽に対応できるのが強みです。

地域ごとの建築法規とひさし設置時の注意点
ひさしを後付けする際、地域によって異なる建築法規にも注意が必要です。防火地域や準防火地域では、使える材料が指定されていたり、道路斜線・隣地斜線などの規制が関係する場合があります。また、庇の奥行きが大きい場合や増築扱いになる場合には、確認申請が必要になるケースもあります。市区町村の建築指導課などに相談する際には、建物の図面・設置予定位置のスケッチ・庇のサイズや材質の情報を準備しておくとスムーズです。「これを付けても大丈夫?」という段階で早めに確認することで、後からトラブルになるリスクを避けることができます。
庇(ひさし)の役割|住まいの快適性と耐久性を底上げ
雨除けとしての機能
庇の代表的な役割は雨よけです。庇があることで、玄関の鍵を開けるときに雨が吹き込むことが減り、傘をしまうときの煩わしさも軽減します。勝手口では荷物を運ぶ際にも濡れにくく、窓では雨水がサッシや枠へ直接侵入しにくいため、カビ・結露・湿気による劣化を防ぐ効果があります。また、雨が落ちる位置が変わることで、泥はねによる外壁汚れや植栽・土壌へのダメージも軽減されます。
日除けとしての効果
庇は日差しを遮る効果も大きく、夏の室内の暑さをやわらげる働きがあります。窓ガラスに直射日光が当たる前に遮ることで、室内温度上昇を抑え、冷房効率を高めることにつながります。また、紫外線から家具やフローリングを守るため、日やけや色あせを防ぐ効果もあります。ひさしの下は日陰になるため、洗濯物を干したり、外でちょっとした作業をする場所としても快適になります。
建物保護の重要性
庇が外壁に当たる雨や紫外線を軽減してくれることで、建物の寿命を延ばすことにもつながります。外壁の汚れ・ひび割れ・塗装の劣化を遅らせ、補修や再塗装のスパンを長くできれば、長期的なメンテナンスコストを節約できます。施工の現場でも庇は「家を守るための小さな設備」として評価されており、外壁材の寿命を延ばす役割を果たす重要なパーツです。

庇(ひさし)の種類|目的に合わせて最適なタイプが選べる
アルミ製庇の特徴
軽くて丈夫なアルミ製の庇は、もっともポピュラーなタイプです。腐食に強く、雨風にさらされる環境に適しており、長期間使用しても機能が落ちにくいのが特徴です。既製品の種類が豊富で、住まいのデザインに合わせて選びやすく、玄関・勝手口・窓など幅広く使えます。耐久性が高く手軽に導入できることから、多くの家庭で採用されています。
ポリカーボネート製庇の利点
透明感があり光を取り入れやすいポリカーボネート製の庇は、部屋を暗くしたくない場所に向いています。ガラスより軽く衝撃に強いため割れにくく、安全性が高いのもメリット。軽量のため施工しやすく、ベランダやテラスの上部にも設置しやすい素材です。採光性と機能性を両立させたい場合におすすめです。
木製庇の魅力
木製の庇は自然素材ならではの温かみと、外観にやさしい印象を与えるデザイン性が魅力です。断熱性が高く、夏は熱さを和らげ、冬は冷気の伝わりを抑える効果もあります。サイズや塗装のカスタマイズがしやすく、テラスやオーニングと組み合わせて暖かみのある外観に仕上げることができます。ただしメンテナンスが必要な素材のため、定期的な塗装・防腐処理を行う前提で選ぶと良いでしょう。
ガラス製庇の選択肢
ガラス製の庇は透明で視界を遮らないため、すっきりとしたスタイリッシュな外観をつくりたい場合に向いています。耐候性が高く、美観も長く保ちやすい素材です。サッシやカーテンとも相性が良く、モダンな住宅に多く使われています。ただし重量があるため、施工の際には壁の強度や金物の選定が重要です。
庇(ひさし)の材質|見た目と耐久性をどう最適化するか
アルミニウムの利点
軽量で耐久性が高く、腐食にも強いアルミニウムは、庇の材質として安定した人気があります。施工が比較的簡単でデザインの選択肢も多いため、バランス重視で選びたい人に向いています。雨風に強く、屋外に長期間さらされても劣化しにくい点も魅力です。
木材の特性とメンテナンス
木材は自然な見た目と断熱性が魅力ですが、メンテナンスが欠かせない素材です。雨や紫外線の影響を受けやすく、塗装のはがれや色あせが起こりやすいため、数年ごとの塗り直しが必要になります。樹種によって耐久性が異なるため、外部使用に適した木を選ぶことが大切です。
ガラスとポリカーボネートの比較
透明度や美観を重視するならガラス、軽さや安全性を重視するならポリカーボネートがおすすめです。ガラスは高級感があり、外観をより洗練された印象にしますが、重量があるため施工の難易度は高くなります。ポリカーボネートは割れにくく軽量で扱いやすいため、ベランダや庭まわりのひさしにも適しています。
ひさしのメンテナンスと耐久性を保つための具体的な方法
ひさしを長持ちさせるには、素材に合ったメンテナンスが必要です。基本のお手入れとしては、水で流し、中性洗剤を使ってやさしく洗う方法が一般的。高圧洗浄は継ぎ目に水が入りやすいため注意が必要です。
素材別の基本チェックポイント
- アルミ・金属:サビ・キズのチェック、防錆補修
- 木材:塗装の状態、ひび割れや反りの確認
- ポリカーボネート・ガラス:表面のくもり、キズ、紫外線劣化の確認
点検タイミングとしては季節の変わり目や台風・大雪後が理想的です。ひさしは高い場所にあるため、見えないところで金具が緩んでいるケースもあります。早めの気づきがトラブル防止につながります。

庇(ひさし)の設置方法|DIYで節約する?プロに任せる?
DIYでの設置手順
DIYでひさしを取り付ける場合は、手順を明確にして安全に進めることが大切です。
DIY手順
- 必要な材料・工具を揃える
- 設置場所の下地を確認する
- 取り付け位置に印を付ける
- 水平を確認しながら下穴を開ける
- アンカーやビスで固定する
- 防水処理を施す
高所作業になることが多いため、脚立の安定性や作業中の動線には注意が必要です。
プロに依頼するメリット
施工会社や工務店に依頼するメリットは、仕上がり・安全性・保証の3つです。見えない部分の防水処理、壁の強度に合わせた金物選び、サイズの最適化など、専門的な判断が求められる場面は多くあります。また、施工後に不具合があった場合の対応がある点も安心です。
ひさしの施工失敗事例とリスク回避のための対策
DIY・プロ施工のどちらでも起こりやすいトラブルがあります。
施工前チェックリスト
- 設置位置とサイズが適正か
- 窓やドアの開閉と干渉しないか
- 雨だれの位置と防水処理が適切か
- 見積もり内容がイメージと一致しているか
これらを事前に確認しておくことで、後悔のないひさし設置につながります。
補足Point
下記コラム「窓の種類と選び方」も、ぜひ併せてご覧ください。

庇(ひさし)の後付けのメリット|費用以上の効果がある理由
快適な住環境の実現
ひさしの後付けは、暮らしの快適さを大きく向上させます。直射日光を遮り、室内の温度上昇を防ぐことで、冷房の効きが良くなります。雨の日の玄関の濡れやすさも改善され、窓から雨が吹き込む問題も解消されることが多いです。梅雨・猛暑・台風といった日本の気候には、ひさしが効果を発揮する場面がたくさんあります。
コストパフォーマンスの良さ
ひさしは長期的に見ると非常にコスパの良い設備です。外壁やサッシの劣化を抑えることで、塗装や補修のサイクルを延ばすことができ、トータルの修繕費を軽減できます。また、夏場の冷房効率が上がれば電気代の節約にもつながります。外観の印象も良くなるため、資産価値向上を期待できるケースもあります。

補足Point
下記コラム「住宅設備おすすめガイド」も、ぜひ併せてご覧ください。

庇(ひさし)を選ぶ際のポイント|後悔しないための基準
デザインとの調和
庇は小さなパーツですが、外観の印象に大きく影響します。外壁の色・サッシの色・玄関ドアの素材などに合わせることで統一感が出て、家全体がより美しく見えます。ナチュラルな木製、スタイリッシュなガラス、シンプルなアルミなど、家のテイストに合わせた選択が重要です。
サイズと機能性のバランス
庇の奥行きが短いと十分な雨よけや日除けの効果を得られず、逆に深すぎると見た目の圧迫感や法規制の問題が出てくることもあります。必要な日陰の大きさ、地域の風雨条件、窓やドアの開閉スペースなどを考慮し、目的に合ったサイズを選ぶことが大切です。
庇(ひさし)の設置時の注意点|法律・安全性のチェックが必須
建ぺい率の確認
庇の形状やサイズによっては建ぺい率に影響する場合があります。建ぺい率は地域によって違うため、事前に役所で確認しておくことが大切です。特に大きな庇を後付けする場合は、建築士や専門業者に相談しながら計画しましょう。
隣地との距離に注意
庇は外壁から外に張り出すため、隣地境界線との距離にも注意が必要です。日当たり・風通しへの影響やトラブルを避けるためにも、図面または現地での確認をすすめます。必要に応じて、隣家にひとこと伝えておくと安心です。

庇(ひさし)のメンテナンス|長持ちさせるための基本知識
定期的な点検の重要性
庇を長く安全に使うためには、定期点検が欠かせません。劣化やぐらつきを放置してしまうと、落下や雨漏りなど大きなトラブルにつながることもあります。
点検ポイント
- ひさし本体の傾き
- 金具やビスの緩み
- ひび割れや変形
- 雨漏り跡
季節の変わり目や台風後にチェックしておくと安心です。
素材別のメンテナンス方法
素材別のメンテナンスでは、以下のポイントを押さえておくと長持ちします。
素材別メンテナンス
- 木材:塗装の状態、ひび割れ・反り
- 金属:サビ、キズの補修
- ポリカ・ガラス:黄ばみ・くもり、紫外線劣化
定期的に軽くお手入れするだけでも、ひさしの寿命は大きく変わります。
庇(ひさし)のトレンド|今の住宅で選ばれている最新タイプ
エコ素材の使用
再生木材やバンブーなど、環境に配慮したエコ素材が注目されています。耐久性とデザイン性を両立させた商品も増え、外観を自然に整えながら地球環境にもやさしい選択ができるようになっています。
デザイン性の向上
フラットで薄型のデザイン、金物を極力見せないタイプなど、モダン住宅に合うひさしが増えています。色や形のバリエーションも豊富で、外観をより美しく見せたいときに選びやすいのも最近の傾向です。

まとめ|ひさしは暮らしを守る小さな設備。選び方で大きな差が出る
庇(ひさし)は、雨よけ・日除けだけでなく、建物を長持ちさせるための大切な設備です。種類・素材・サイズ・デザインを適切に選ぶことで、暮らしの快適さがぐっと向上します。後付けも比較的しやすいため、今ある悩みを改善したいときにも有効な選択肢です。家づくりやリフォームで迷ったときは、専門家の意見も活用しながら、暮らしに合う最適なひさしを選んでみてください。
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